【声優インタビューvol.2】小林正典(こばやしまさのり)

新人声優.com編集部が、
現役で活躍している声優さんに直撃インタビュー!

今回ご紹介するのは、
大人気スマホゲーム「バンドやろうぜ!」高良京役で出演中の小林正典さん

【出演作品】

スマホアプリ「バンドやろうぜ!」高良京
WEBサイト「VOMIC『CRASH』黒瀬桐
TOKYO MX他「SUPER LOVERS」
舞台「ホスピタル」タヒチ 他

-- アニソングランプリに挑戦しようと思ったきっかけは?
アニメが好きでずっとアニマックスを観ていたのですが、そこで第1回目のアニソングランプリ開催のCMを観たのがきっかけで興味を持ちました。
そのことを友人に話してみたら「出てみなよ!」と言ってくれたのですが、第1回と第2回は人前に立つことが怖くて出られませんでした。
それで第3回の時にも「いいから出てみなよ!」と言われて挑戦してみました。そうしたら、第4回の時に審査員特別賞をいただくことができました!

-- その友達には感謝しないとですね。
そうですね(笑)。
自分が人前で歌うことができる人間だなんて思っていなかったので。でもアニソンをステージで歌いたいという思いはありました。

-- 人前に立つのが苦手ということとステージに立ちたいという思いは相反すると思うのですが、、、
昔からなぜか歌うときにだけ自分の中に切り替わるスイッチのようなものがあって、そのスイッチが入るんですよね。
それを知っている友人たちが「やってみれば?」と背中を押してくれたので、その言葉を信じて出場を決意しました。

-- アニソンに興味をもたれたのはいつ頃ですか?
アニソンに興味を持ち始めたのはデビュー直前です。
アニメ自体は好きだったのですが、アニソンに関しては自分が子供のころに聴いていたアニソンぐらいしか覚えてませんでした。
それでアニソングランプリに挑戦するということでアニソンについて勉強していくなかで新しい楽曲を知っていったという感じです。

-- デビュー前は音楽のレッスンなど受けていましたか?
レッスンなどは一切受けたことがないです。
実家に空いている部屋があって、その部屋でCDに合わせてただ歌うということを毎日のように2、3時間やっていたので、それで喉が鍛えられていたのかもしれませんね(笑)。
本当は音楽系の学校へ行きたかったのですが、両親から普通の大学へ行ってくれと言われて、普通の大学へ行くことにしました。
専門的なことは全然学べなかったのですが、その代わり大学に入ってからは軽音楽部でバンド活動をやっていました。

-- 大学へ進学したことはプラスになりましたか?
そうですね。
正直勉強しに行ったというよりは、これから自分のやりたいことの幅を広げるために大学へ行っている感じでした。
高校生ぐらいいまでは世界が狭いですが、大学に入ると個性が強い人も多くて。僕は人間観察が好きなので、「なんでこの人は今こう思っているんだろう?」「なんでこういう顔をしているのだろう?」と考えるんです。
その辺がお芝居をする際に役立っていると思います。

-- 専門学校や養成所へ早く行きたいと思いませんでしたか?
当時は早く専門的なことを学びたいと思っていましたが、実際に養成所で声優の勉強をさせてもらって、「声優さんの勉強を専門学校でしたからといって養成所でそれが通用するかといえばそうでもなく、早ければ良いというものではないんだな」ということは思いました。
役者として芸の幅や引き出しを広げるためにはひとつのことに固執し続けるよりも、もっと広い視野で色々なものを見ているほうが良いのかなと思います。

-- JTBエンタテインメントへ入所する前はどんな活動をされていたのですか?
特に何もしていませんでした。
アニソングランプリに出て、そこからデビューが決まってJTBエンタテインメントでお世話になることになったので、デビュー前はアルバイト生活でしたね。

-- どのようなバイトをされていたのですか?
10年くらい接客業のアルバイトをしていました。
それ以外だとアパレル関係や飲食系ですね。人と接することは好きなので接客の仕事は好きです。

-- 仕事が急に入ったりしませんでしたか?
そうなんです!急に仕事が入ることがすごく多くて、バイト先には迷惑をかけていました。
ただバイト先の人が僕がしている活動に対して理解と応援をしてくれて「すみません仕事が入ってしまったのですが…」と当日に言っても「わかった。行っておいで!」と言ってくれる会社だったので、本当に助かりました。

-- これまでのお話を聞いていると、周りの方に恵まれていますね。
そうなんですよ!
出会いにすごく恵まれているんですよね!

-- JTBエンタテインメントへ入所された経緯は?
アニソングランプリで受賞したことがきっかけでデビューが決まったのですが、そのデビュー作を担当していたのがJTBエンタテインメントだったので、そのつながりでお世話になっています。

-- 事務所のオーディションはなかったということですか?
そうですね。実質アニソングランプリが所属オーディションのような感じですね。デビュー前はまともなオーディションを受けたことがありませんでした。

-- 北海道のご出身ですが東京にこられたのはいつ頃ですか?
上京して音楽活動をしたいという思いがあったので、アニソングランプリの4回大会で決勝が決まる前に上京したのですが、本当に運が良くて上京したその年にデビューが決まりました。
北海道でバイトをしていたお店の系列店が東京にもあったので紹介してもらって、 デビューしたての頃は音楽活動とバイトを両立しながら活動をしていました。
そのお店は若い人からおじいちゃんおばあちゃんまで幅広い人たちが来るところだったので色々な人と接することができてすごく良い経験をさせてもらったと思っています。

-- 仮歌のお仕事は一切表に出ないお仕事ですが、悔しいと思ったことはありませんか?
名前は一切でないですね。悔しいと思わなくはないですが、そこで与えられている僕の仕事は、実際に歌うご本人がどうしたら歌いやすくなるのか、聴き取りやすいかというところを考えながら歌うことなので、楽曲からもらうイメージのインスピレーションを大事に守りながら、「こういう風にしたら歌いやすいかな」「こういう風にしたらイメージが伝わりやすいのかな」と考えながら歌っています。

-- 『バンドやろうぜ!』のオーディションはどんな感じでしたか?
スタジオで課題となっていた曲『VOICE』のワンコーラスを歌唱して、それからこれまでの活動などについて少しお話をしました。まだサンプル状態の曲だったのですが、僕がすごく好きなテイストの曲だったので、「これはやりたい!」と思ったのですが、好きだからといってできるわけじゃないよなとも思っていました。
僕がオーディションの現場に入ったときに蒼井翔太君がちょうど帰るところだったのですが、別の現場で彼の歌唱力を知っていたので「彼には勝てない」と思って正直オーディションは落ちたと思っていました。ただ実際は『バンドやろうぜ!』でお仕事をさせていただいてみて、皆さん色が違うので被りがなくて良かったなと思いました。


-- 『バンドやろうぜ!』に関わるようになってから何か変わりましたか?
一番大きいのは歌える場所が増えたことですね。
周りの方からは『バンドやろうぜ!』が決まって凄いねと言われるのですが、実は中身的にはそれほど大きな変化を感じていなくて、あまり実感が沸いていないんですよね。でも別にそれでも良いのかなとも思っていて、有名になることが目的ではなく、歌うことができてそれで生活をすることができればそれだけで幸せだと思っています。


-- 『バンドやろうぜ!』の場合は小林さん自身というより、キャラクターのカラーを維持して歌わなくてはいけませんが、難しくないですか?
キャラクターを演じるうえではずっと低いトーンでぼそぼそ喋っている感じのキャラクターなので、そこの維持に関しては少し難しかったですね。歌になるとスイッチが入るというのは元々の設定がそうなっていて、初めてキャラクターと出会ったときにこんな共通点があるんだと驚きました。


-- 収録ではどういったディレクションがありましたか?
歌に関しては「こういうニュアンスを付けたほうがもっとこうなる」というようなアドバイスをいただいたのですが、今までレコーディングで「こうしてください」というようなことを言われたことがなかったので、そう言っていただけたことが凄く嬉しかったですね。
アドバイスの通り歌ったものを聴き直してみると「こうなるんだ!」というような新しい発見があってそこからもっとこうしてみようといったような別のアプローチもできてレコーディングは本当に楽しかったです。
声優としてはテンションが上がりすぎて地声に戻りそうになるので「声が高くなってきたので下げてください」というディレクションはありました。


-- 役者の勉強はされているのですか?
デビューをしてから事務所の養成所でお芝居の勉強をさせていただいていますが、デビューしたての頃の芝居は聞けないですね、ひどいなって思ってます(笑)。
実際に演じているときは棒読みをしているつもりはないのですが、聞き返してみると棒読みになっているので「なんでだろうな?」ってずっと思っていました。

-- 健康の維持について気を付けていることはありますか?
本当は特別にケアしていることを言えたら良いんでしょうけど(笑)
風邪のケアとマスクをして乾燥しないように湿度をある程度保っているぐらいですね。周りと比べて初めて気が付いたのですが、僕は人より喉が強くてあまり壊れないみたいです。
ただ寝起きにやる発声があって、それをちょっとやってその日のコンディションを確かめてみたりします。
それで喉の調子が悪いときは蜂蜜をなめてみたりのど飴を舐めたりしてはみるのですが、気休めかなって思っちゃうんです(笑)。
調子が悪いからって急にケアしてもすぐには治らないですよね。
日々続けていれば多少は違ってくるのでしょうけど。

-- 歌唱力を磨くコツはありますか?
自分が歌唱力を上げるために何をやっていたかを考えたのですが、たくさん歌うことはもちろんなのですが、一番大事なのは人の曲を聴くことだなと思いました。
歌を歌うにあたって大事なのは人の曲を聴いて耳を肥やすことだと思うんです。
聴く耳が肥えると勝手に歌えるようになるはずです。
もちろん発声などについてはレッスンなどで身につけなくてはいけないのですが、曲を聴いて細かいところの音まで聴けるようになるといきなり世界が変わりますね。
そうなると自分が歌ったものに対しても客観的に聴くことができるようになるので、自分の歌声を聴いてみてピッチがずれているとかもわかるようになってくると思います。まずは完コピを目標にするのが良いと思います。

-- デビューしてから嬉しかったことは?

デビューをする前は、ただ歌えれば良いと思っていました。
演技もダンスも難しいのですが、そこには常に新しい発見があって、特にこの業界は常に新しいものに触れられる場所でもあるので、観たことのない世界を毎回観ることができるのは凄く嬉しくもあり楽しいですね。

-- 逆に辛かったことは?
歌えないことが一番辛かったですね。
歌えなかった時期も当然あって、カラオケに行って遊びで歌うということはできても、仕事としてステージに立ったり聴いてもらえる歌が歌えないということが続いたときは辛かったです。
はじめはただ歌が好きで歌いたいだけだったはずなのに、人前で歌いたいんだってその時気づきましたね。

-- 歌以外の趣味は?
ゲームですかね。
ファミコン、スーファミ、プレイステーション、ドリームキャストと遊んで今はプレイステーション3が家にあります。
最近はソーシャルゲームが多くて、それこそ今関わらせていただいている『バンドやろうぜ!』もプレイしています。

-- スマホから自分の声が聞こえるのはどんな感じですか?
今はなんとも思わなくなりましたけど最初は気持ち悪かったですね(笑)。
歌のレコーディングでも自分の声を聴くのですが、それに関してはもう何回もしているので慣れてしまいました。

-- 今後どのような役を演じてみたいですか?
自分から役を選ぶということは基本的にはないですが、強いて言うならちょっと気持ち悪い役をやってみたいですね。
(横で聞いていたマネージャーがOKをだす)。
キャラクターを演じるうえで格好をつけるとか、歌うときに格好をつけるのは良いのですが、普段格好を付けることがあまり好きではないんです。
自分は変態チックなところやおちゃらけたところがあるので、そういう役を演じる機会があったら全力でいくと思います(笑)。
ボイスサンプルで変態ストーカーの役を自分で考えて演じたのですが、相当気持ち悪いです(笑)。
WEBで聴けるのですが基本宣伝しないようにしています(笑)。
あとは、僕はどちらかというと悪役のほうに惹かれるので、悪役を演じてみたいですね。
狂気じみた役とかサイコパスとか。
「どんな人間なのか?」という興味とそれを自分が演じてみたらどのくらい狂気的に演じることができるのかというところが楽しみですね。

-- 最近興味があることは?
なぞのプレッシャーを感じているからなのか分からないのですが(笑)
『バンドやろうぜ!』が始まってからなぜか肌荒れするようになってしまったこともあり、お肌のケアのために最近パックをするようになりました。
スキンケア用品をファンの方からいただくようになりまして、最初は「そんなにスキンケアなんかしなくても」と思っていたのですが、使ってみたらこの年齢になってスキンケアの効果を実感しました。僕は敏感肌なので肌に優しいパックを探しています(笑)。

-- デビュー当時に思い描いていた夢などお聞かせください。
僕はGRANRODEOさんが凄く好きで、谷山紀章さんのように芝居をやりながらゴリゴリのロックバンドで歌ってるのに憧れていて、自分のライブでもカバーをさせていただきました。
ハスキー目な声をされていて地声に特徴があるのもうらやましいなと思います。
僕はバンド音楽が一番好きなので、今こうして続けていられることが凄く嬉しいですし、ずっと続けていきたいですね。
将来的にも歌をメインでやりたいと思っているのですが、その中でお芝居やミュージカルなどをやらせていただける機会があるのでしたら、積極的にチャレンジしていきたいと思っています。

-- デビュー作は
デビューは「CRASH!」という漫画原作の実写版で、声優をやりつつ歌も歌いつつダンスも踊るというものだったのですが、それまでダンスをしたことがなくて最初の1か月はレッスンに付いていくことすらできないレベルで酷かったですね。
体力的な問題というよりは体が動かないんです。
10年間バスケをやっていたので運動神経も悪いほうではないと思うのですが、ダンスはできなったですね。
リズムには乗れるのに体が付いてこなかったです。

-- 上京して大変だったことは
北海道から東京に出てきて掃除洗濯自炊はもちろん自分でやっているのですが、面倒くさいと思いますね(笑)。
親のありがたみを知る瞬間ですよね。北海道から出てきたときは東京に友達が数人いるだけだったので、どうしたらいいのかと思っていたのですが、意外に住めば都ですね。

-- これまでの人生で不安などありませんでしたか
将来的な不安はもちろんあります。
この先歌うことができなくなったらどうしようという不安はなくはないですけど、僕は楽観的でなんとかなるだろう精神でやっています。
ただ踏み出した責任、自分でやると決めた責任は自分で持とうと思っています。
不安といえば、ステージに出る前は毎回本当に怖いんですよ。
人前で歌うことも、何かミスをするのではないかという怖さも、見られている怖さもあって、心臓がバクバクになるのですが、歌い始めると全部消えるんですよね。
あと独り暮らしなので風邪をひいたりすると取り残された世界にいるようですごく不安になります。
でも大人なので(笑)、さっさと直して仕事をしようと気持ちを切り替えます。

-- 自分の歌がネットで配信されるのはどうですか?
凄く嬉しいです。CDになるのもすごく嬉しいのですが、ネットで配信されている楽曲は手に取りやすいので、聴いていただいてそこからライブへ来ていただけたら嬉しいですね。生の熱量はCDやネット配信されている音源には入れられないので、ぜひライブへ来て欲しいです。

-- 今は充実していますか
やりたいことがまだまだあって、そこには辿り着いていないのですが、昔よりは充実していると思います。
でも満足はしていないですし、これからも満足はしないんじゃないかなと思いますね。この世界の人は常に満たされない感覚の中にいると思うんです。
満たされたら、それこそそこで終わってしまうと思うので、満たされていないからやりたいと思えるし、その環境にいられることが今は嬉しいです。

-- 記事を読まれている方へメッセージをお願いします。
声優を目指している人や声優の学校へ通っている人はよく「甘い世界じゃないよ」と言われると思うのですが、それがどう甘くない世界なのかというのを知らないんですよね。
まずは経済的なことや家族との関係、将来への不安などから続けていくのが難しいです。
そして成長を実感させてくれる人がこの世界には基本的にあまりいないので、自分ができているかできていないかも分からないのですが、その答えも自分でださなくてはいけないんです。
それらの責任を自分で負う覚悟があるのかですね。
これらの覚悟を持って初めて続けていけると思うので、中途半端な気持ちならあきらめるという選択も大事かなと思います。
本気でやりたいと思うなら自分の人生をかけるくらいの気持ちで思いっきり踏み込んでほしいし、やると決めた以上後悔しないでほしいなと思います。

-- ありがとうございました。

 

 

 

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