【声優インタビューvol.3】八重畑由希音(やえはたゆきね)

新人声優.com編集部が、
現役で活躍している声優さんに直撃インタビュー!

今回ご紹介するのは、
アニメやゲームで活躍中の声優「八重畑由希音」さん!

 

【出演作品】

TOKYO MX他「ろんぐらいだぁす!」
TOKYO MX他「終末のイゼッタ」
TOKYO MX他 「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」
TX他「DD北斗の拳2」
Eテレ「おじゃる丸」チョー子

 

-- 声優という職業を意識し始めたのはいつからですか?

小学生のときからですね。母と一緒にアニメを観ていたら「この作品とこの作品に出ていてる人は同じ人だ!」って(笑)。地方だとあまり情報がないのですが、とある声優雑誌は売っていて(笑)、声優に関する特集もやっていたので、それを小学生ながらに購入して読んでいました。当時は林原めぐみさんや坂本真綾さんが特集されていて、その時から声優さんって凄いなという憧れを抱きはじめました。どちらかというと、漫画・アニメ・声優が大好きなオタクでした(笑)。

 

-- 声優を目指されたきっかけは?

管理栄養士の国家資格が取れる福島の大学へ通っていて、資格が活かせる職に就くつもりだったのですが、東日本大震災がありまして、そのときに友人が何人か亡くなり、志半ばで亡くなった人もいたので、その時に自分にもいつ何があるか分からないから、やりたいことを思いっきりやったほうが良いなと思い、大学3年のときに声優を目指すことを決めました。

 

-- 親御さんに声優を目指すことに反対はされませんでしたか?

震災が起きて学校の校舎の改修もあり長い春休みがあって、そのときに実家へ帰って声優になりたいと自分の胸の内を話したのですが、「大学をちゃんと卒業して国家資格を取ること」「アルバイトをして貯金をして、そのお金ですべてのことをやること」を条件にOKをもらいました。父は自分のやりたいことを仕事にしている人でしたので、「自分でやるのなら頑張りなさい」という感じで応援してくれたのですが、母は反対というよりは、やはり私が女の子ということもあり心配していました。

 

-- その当時、声優業で食べていくことは難しいということを知っていましたか?

実はあまり売れていない時期の声優さんのことはあまり知らなかったのですが、芸能人という枠の中で考えると、売れない芸人さんの話をよく聞くので、そういう厳しい世界ではあるのかなとは思っていました。ただ後悔するのは嫌だったので挑戦しようと思いました。


 

-- ためらいはなかったですか?

決めたときには「やるぞ!」という気持ちと「早く東京へ行ってたくさん勉強をしたい」という気持ちだけでした。ただそこに至るまでにはためらいも大きくて、声優になるのも良いなとか格好いいなというぐらいの気持ちだったのですが、震災をきっかけに自分の思いががらりと変わりました。

 

-- 今は将来的な不安はありませんか?

正直不安はあるのですが、不安に陥るよりも「今目の前にあるやるべきことを必死に頑張らないと」という気持ちでいっぱいです。その時は結果がでなくても、最近は周りで見ていてくれた方から後々お声がけ頂くことも増えたので、そういうことがあると励みになります。

 

-- 声優になろうと決めた瞬間から何か行動をとりましたか?

就活を一切しませんでした(笑)。その代わりに東京に出て生活をするためのお金を貯めるためにアルバイトをはじめました。あとはネットで声優さんのことや学校のことを調べました。専門学校の体験入学へも行って、そこで頂いた冊子に滑舌の練習法みたいなものが書かれていて、外郎売にも挑戦したのですが、当時は何が書いてあるのか意味もわからずとりあえず見よう見まねでやっていました。

 

-- 大学を卒業して上京されてからはどうされましたか?

2012年に上京して専門学校へ入り、そこで2年間勉強をしてからJTBエンタテイメントアカデミーの入所オーディションを受けお世話になることになりました。


 

-- 初めて声優の勉強をしてみてどんな感想を持たれましたか?

本気で声優になりたいという人と、アニメが好きでという人の温度差みたいなものは最初感じました。ただ本気で声優になりたいという人同士で切磋琢磨はできました。最初は発声や滑舌など基礎から学んだのですが、滑舌の授業では「あ行」や「か行」などいろいろなパターンのものがあって、先生からOKがもらえると次に進める形だったので、友達と競争しながらお互いがむしゃらに練習して楽しかったですね。

 

-- 自分がどのくらいできているのか答えがない世界でもありますよね。

そうですね。滑舌に関しては先生にOK貰えれば良いのですが、演技だと答えがないしもっと良い演技をするにはどうしたら良いかを考えて実際に演じての繰り返しで、それが辛いときもありましたが楽しい部分でもありますね。

 

-- 訛は気になりませんでしたか?

盛岡出身なのでそんなにはありませんでしたが、ちょっとしたアクセントが違っていて指摘されることがありました。何回も指摘されるのは悔しいので2度と言ってなるものかと書き留めています(笑)。友達は訛が強くて基礎のアクセントから躓いていて、お互いに訛を指摘しあったりアクセント辞典など使って確認していました。以前、仕事で岩手へ帰った時にはだんだん自分のアクセントが元に戻ってしまって「まずい!まずい!」となって、地元って怖いなって思いました(笑)。

 

-- スケジュールの管理はどうされていますか?

早朝と夜にアルバイトをするようにして、お昼は完全に空いている状態にしています。もしシフトが入っているときに声優のお仕事が入ってもすぐにシフトを変わってもらえるバイトを選びました。バイトの面接のときにも急に休む理由をちゃんとわかっていて欲しいので「こういうお仕事をしています」ということをちゃんと話しました。それがNGなところももちろんありますが、OKと言ってくれるところもありますので、一応ご理解をいただいていて、ありがたいことに「頑張って」と送り出してくれるバイトをさせていただいています。


 

-- どんなバイトをされているのですか?

今は清掃のバイトをしているのですが、昔は発声やコミュニケーションの勉強も兼ねて接客業のバイトをしていました。接客業は気遣いみたいなものが必要ですが、収録現場でもスタジオの扉を開けるとかエアコンのスイッチを切ったりなどいろいろな気遣いが必要になってくるので、そういったところは接客業で学べたのかなと思います。

 

-- 一番最初に現場へ出たときのことを覚えていますか?

自分がどんな感じで台詞を喋ったのかあまり覚えていないのですが、緊張していたことだけは覚えています(笑)。出演されている役者の皆さんがかなり豪華で緊張感が半端なかったです(笑)。その時は番組レギュラーという形で呼んでいただいて、女子高生の役でした。現場へ入って「JTBエンタテイメントの八重畑由希音です」とスタッフの方や共演者の方へ挨拶する際もガチガチだったと思います。とにかく緊張でしたね。


 

-- 実際に現場へ出てみて想像していたことと違ったことなどありましたか?

私の勝手なイメージでベテランの方は怖いイメージがあって、うまくいかないと後ろから罵倒されるみたいな、そういうお話を聞いたこともあったので(笑)、初めての現場は「どうしよう・・・」という気持ちで行きました。実際は温かい現場で、キャストもスタッフも作品作りをすごく大事にしているのと同時に現場作りもすごく大事にされているのだなと感じました。

 

-- 現場で気をつけていることはありますか?

現場作りが大切なんだと感じてからは挨拶や笑顔は大切にしています。どのような職業でもそうだと思うのですが、一緒に仕事をしたいと思ってもらいたいので、自分の力でどうこうなる現場ではないかもしれませんが、「現場が少しでも明るくなるように」ということは心がけています。

 

-- これまで声優として嬉しかったことはありますか?

イタチの男の子の役をレギュラーでやっていた作品で、その役以外にも兼役として色々な役をやらせていただいたのですが、最後の最後に格好いい女ボス的なキャラクターを兼役として演じさせて頂く機会がありました。友達にはイタチのキャラクターで出演しているから観てねと話したことがあったのですが、その最終話を観た友達から「由希音もこういうボスキャラみたいなのやれるようになると良いね。このキャラ格好いいし練習すればきっとできるよ。」と言われて「それ私!」みたいな(笑)。兼役はエンディングで名前が載ることがあまりなく、女ボスも名前が載っていなかったので、私が演じていることを知らずにキャラクターのことを褒められたことが凄く嬉しかったです。


 

-- 辛かったことはありますか?

大御所ばかりの現場に何度かモブとして出演させていただいたことがあるのですが、周りがすごすぎて、上手くやらなきゃという意識が強くなりすぎてしまって、自分がやりたい表現ができなかったり思いっきりやりたいのにやれなかったりなどして、負のスパイラルにハマってしまってことが辛かったです。まったく自分の表現じゃないし誰かに媚びた演技になってしまうし、緊張して表現が小さいし。周りの人の演技は凄く勉強になるのですが、それで勝手にプレッシャーを受けて演技が怖くなった時期がありました。その時はどうしたら良いか分からず辛かったです。収録が全て終わった後に音響監督から「面白い演技もあったから自分なりに魂を込めて、リテイクになっても良いぐらい思いっきり伸び伸びとやればもっと良くなると思うよ。」と言っていただいて、気持ちが軽くなったと同時に、上手に見られようと考えていたことが凄く恥ずかしくなって、作品のために精一杯自分がどれだけの演技ができるのかということが大切なんだと思いました。

 

-- 声優としての目標はありますか?

アニメも好きですが外画などもよく観ていたので、アクションをこなしたりする格好良い女性に憧れていて、そういった役ができる声優になりたいなと思っています。「この役者さんにはこの声優」と言われるのに憧れますね。

 

-- 演じてみたい役などありますか?

新人だとモブを演じることが多く、子供やお母さんや動物など色々な役を演じてきて役の幅が広がってきたのが凄く楽しいので、これからも色々な役を演じていきたいと思っています。

 

-- 1日の仕事の流れは?

アニメの収録の場合、朝10時からや16時からというのが多いですね。10時からの収録の場合ですが、台本や映像チェックは前の日までに完璧にしておきます。私は食いしん坊で朝もしっかり食べないとだめなので、そういった時間も含めて6時に起きて顔を洗ってご飯を作って食べて、ストレッチを時間かけてやります。滑舌というか口も動かすのですが、電車の中でもマスクをして口を動かしていたりしますね(笑)。収録後は次の現場があれば移動しますし、ない場合はアカデミーの教室が空いていればお借りできるのでそこで練習をします。あとは舞台や映画をできるだけ観に行くようにしていて、バイトは早朝や深夜でやっています。


 

-- 台本チェックの仕方は?

世界観やキャラクターの位置づけを把握したいのでまずは通して読むのですが、最近出演させていただいた作品の台本はト書きも台詞も難しく読み方すら分からない言葉が多かったので、台本のチェックに時間がかかりました。

 

-- 声優を目指している皆様へメッセージをお願いします。

私は声優になろうと決めたのが大学からということもあり、「遅かったのではないか?」という不安があったのですが、今こうやって声優の仕事をさせていただいて、遅い早いではなく自分がどれだけやりたいことに対して頑張っていけるかが大事なことなんだなと思いました。やりたいことは諦めないで挑戦していったほうが良いと思います。
-- ありがとうございました。

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